各国の事情

東南アジアで移住したい3か国。タイ、カンボジア、マレーシア。

東南アジアに住むことは、想像以上にはるかに簡単です。歓迎してくれるコミュニティを見つけるのも、必要なものを手に入れるのも、街中を移動するのも、思っているより苦労はしません。距離に圧倒されるかもしれませんが、実際はそう思うほどでもありません。この地域に住む外国人居住者は、金銭的にゆとりのある快適な生活にワクワクすると口を揃えて言います。

タイのチェンマイでは、月額2,000ドルで、最高のおもてなしとリラックスしたライフスタイルを手に入れることが出来ます。お隣さんはフレンドリーな地元住民で、活気ある外国人コミュニティもあります。犯罪率は低く、質の高い医療を受けることもできます。

マレーシアは、アメリカ人から熱い眼差しが向けられていますが、それもそのはずです。アイダホ州ボイジーよりも家賃が安いのに、マイアミのような高級感漂う高層マンションに住むことができる国なんて他にあるでしょうか。マレーシア以外、考えられません。

カンボジアは外国人居住者にとって未開拓の地です –移住する人にとっては冒険であること間違いなし – 笑顔を浮かべる地元の人々や起業機会の多さ、そして物価の安さなど、カンボジアをおすすめする理由はたくさんあります。 日常のすべてのものが異国情緒に満ち溢れていたら、馴染めないと思ってしまうのも無理もありません。しかし、International Livingマガジン7月号に掲載されているように、実はその正反対のことがおこっているのです。地元の人たちは温かく寛大で、心からあなたを歓迎しています。だからエキゾチックなアジアにぐいっと惹かれたら、飛び込んでみてください。代わりに、未知の世界を探索してみてください。

外国人居住者がタイのバンコクに住みたがる理由

ベトナムは長い間、生活費を低く抑えることはもちろん、冒険と西洋の利便性の両方を求める外国人居住者にとってのメッカでした。ある一定の期間でも1年でも、期間に関係なく快適に暮らすことができます。熱帯気候から魅力的な料理、おもてなしの文化、そして心に残るナイトライフまで、ひとりひとりが楽しめる要素があります。

バンコクの物価は非常に安いです。露店の麺一杯の価格は1ドル以下です。中上級のレストランの3品コース料理の食事に飲み物が付いて、2名分の合計が60ドルです。街を横断するのに、タクシーで5ドルかかりません。小銭だけで、「スカイトレイン」またはMRT地下鉄に乗って目的地に向かうこともできます。

スカイトレインの近くに位置するモダンな2ベッドルームの家具付きアパートメントは、24時間セキュリティ、プール、ジムが付いて、月額1,000ドルからです。都心の中心からは離れていますが、娯楽施設は近くにあります。同じような条件で、もっと安い価格帯のアパートメントもあるでしょう。バンコクの郊外のゲート・コミュニティでは、家具付きの3ベッドルーム、3バスルームの家を月額1,000ドルから1,200ドルで借りることができます。

英語は市内の広い地域で話されており、かなり多くの外国人が在住しています。バンコクは南部のビーチから北部の山岳地帯まで、タイの別の地域を訪れるのに最適な拠点です。この都市は、東南アジアの地方中核都市としても機能しているため、旅行先の選択肢は無限にあります。― Heather Van Deest

タイ、チェンマイに4万人の外国人居住者

バンコクから飛行機で1時間のところにチェンマイという街があり、約4万人の外国人が住んでいます。

「多くの世論調査の結果と個人の独断から結論づけると、チェンマイは依然としてアジアで最も住みやすい場所のひとつです」とDenis Gray氏は述べています。

7年前、Denis氏と彼の妻(イギリス出身)は、退職を機にチェンマイの近くに家を建てました。彼の妻はそこで2匹の犬と他の動物たちと一緒にずっと暮らしています。Denis氏は、AP通信外国の特派員としての仕事に邁進していて、拠点であるバンコクから頻繁に通勤しています。 「僕たちはチェンマイに家を建てたことを、いまのところ後悔はしていません。チェンマイが大好きです」とDenis氏は言います。

そして、退職後にチェンマイを故郷と呼ぶ外国人が増えてきています。 「みんなが口を揃えて言うチェンマイの良さがあります」とデニス氏は言います。 「フレンドリーな地元の人々、活気に満ちた外国人コミュニティ、犯罪率の低さ、涼しい「冬」、多様なイベントやサービス、質の高い医療、そして生活費の安さです。」

「生活費を抑えて快適な生活を送ることができる、世界で一番コスパの良い場所である」とHuffington Postのブログが述べているように、2013年の定年退職者の安息地世界トップ10の5位にチェンマイがランクインしています。海外在住のDenis氏の友人は、「たった月2000ドルで王様のような暮らしができている」と自慢げに語っています。 世界中の都市の生活費を追跡するオンラインデータベースNumbeoによると、チェンマイの消費者物価はボストンより59%も低いようです。

バンコクから移り住むタイ人や外国人在住者に向けた住宅の建設ラッシュが相次ぐ中、自治体は幅広く賃貸価格と物件購入価格を設定しています。

計画退職者用コミュニティも門戸を開いています。郊外の家だと月400ドルで借りることができ、コンドミニアムはわずか3万ドルで購入できます。

「ほとんどの外国人はタイで土地を所有することができないので、退職者を対象とした数多くの高級コンドミニアムが建設されました」とDenis氏は言います。「家と土地を購入できる人にとっては(タイ人との国際結婚もひとつの方法です)、ゲートコミュニティの小さな裏庭がある3ベッドルームの家を購入するのに10万ドルあれば十分なはずです。」

マレーシア、全条件満たす

ILの作家Frances Wilksは、次のように述べています。「マレーシアは北米の人々から注目されている国です。退職者の理想の安息地の条件をすべて満たし、探索しがいのある大きな国です。」

マレーシアは唯一無二の国で、アジア諸国の玄関口にあたります。無人島、魅力的な都市、山岳熱帯雨林、そして最高のダイビングとヨットスポット。これらすべてを楽しむことができます。多文化国家なので、外国人は非常に歓迎されています。

Francesは、ペナンで海外居住の遊牧民の子供として育ちましたが、数十年後にここに戻り定住するようになりました。

「異国情緒感溢れる快適なライフスタイルにかかる生活費は非常に低いです」とFrancesは言います。 「住宅費、ホームヘルプ、医療費、食費、交通費はすべて、北米やヨーロッパよりもはるかに安いです。」

「カップルは、家賃を含めて月に1,750ドルの予算で生活できます。月に3,500ドルで、王族のような暮らしができるでしょう。医療費と健康保険料はどちらもアメリカやヨーロッパよりはるかに安いです。一般的に、最先端の施設が完備されていて、経験豊富な医療従事者と質の高い標準治療が備えられています。」

退職者の大半は、首都KL(クアラルンプール)、またはペナン島とランカウイ島のいずれかを拠点として選ぶ傾向があります。

JanetとJohn Nistedジョン・ニステッドはペナンに住んでいますが、なぜそこに住もうと思ったのかと尋ねたところ、答えは至ってシンプルでした。

「私たちは生活費高騰で、家に閉じ込められているような感覚を持っていました。退職の夢が遠のいていくような気がしたのです。」

「「もう一生このままなのか」と自問自答し、悩みに悩みました。友人が退職後の郊外での質素な生活の計画を立てている間、私たちは現状からの脱出計画に着手しました。」

「どこへ逃げるのか。条件は、生活費が今より低く、温暖な沿岸気候で、英語を話す文化が浸透し、良心的な医療費で、ビザの選択肢が豊富な場所。グーグルで世界中を一望した時に、マレーシアが候補地のトップにのぼりました。Johnはクアラルンプールへのフライトを予約し、首都とペナン州を急ぎ足で見て回りました。マレーシアはすべての条件を満たしていたのです。」 とJanetは言います。

カンボジア、「世界で最も移住しやすい国の一つ」

カンボジアはシアヌークビル。「カンボジアの多くの外国人居住者と同様に、私も偶然にも「不思議王国」に行き着きました」とLina Goldbergは言います。

「首都プノンペンに住んでいると、ゆったりとしたライフスタイルの秘密を発見したような気がします。ここでの生活は、ニューヨークのオフィスの一角で働いたときに耐えていたようなストレスがほとんどありません。」

Linaはカンボジアに3年間住んでいて、大好きなキャリアを追い求めることができています。

「私はフリーランスの作家です。現地紙や世界の新聞や雑誌に食や旅行に関する記事を掲載しています。最近本も書きました。私はフリーランサーの自由さが好きです。そして、生活費が非常に安いカンボジアに拠点を置くことで、いつも夢見ていたが実現可能だと思ってはいなかったライフスタイルを送ることができています。

プノンペンでは、どの程度の豪華さを必要としているかによりますが、1ベッドルームアパートメントを1ヶ月あたり150ドルから500ドルの間で借りることができます。質素な生活を送る場合、月額1,000ドル以下で住むことができます、しかし、ほとんどの外国人はもう少し予算を組もうとします。「自国では賄えないような高級物件も、手頃な価格で手に入れることが出来るのです」とLinaは言います。

カンボジアの統計集計には曖昧な部分があるので、正確な数字は分かりませんが、プノンペンにいる外国人在住者の数は多く、多様性に富んでいます。カンボジアでは、長期滞在ビザに加えて、ほとんどの国籍の人が容易に1年有効のビザを300ドルで取得することが可能です。海外在住者が馴染みやすいような環境が整っていて、定住を決めた他の外国人に出会うことも簡単です。

「カンボジアは、世界で最も移住しやすい国の1つです。アメリカを離れてから、3番目に移住した国がカンボジアでした。最も 「馴染みのない国」であったと同時に、苦痛なく腰を落ち着けた国でした。前もって時間をかけて準備すべきことは、少なかったです。アパートメント契約には3か月分の家賃と1か月分の入金のみで完了するし、ビザは簡単に取得でき、必要なものはすべてプノンペンで見つけることができます。」

移住を考えている人は、時間をこれ以上無駄にしないようにとLinaはアドバイスしています。

ビーチのそばで、収入に見合った暮らしをする

Rob Schneiderは、6年前にカンボジアのビーチタウン、シアヌークビルに引っ越しました。そこでの生活を楽しむのに、お金持ちである必要はないと語っています。 「私の土曜日の朝食はたった3ドルでした。先週の土曜日はいかだ舟を借り、2人分の夕食代を支払いましたが、前日の朝にポケットに入っていた25ドルも使いきれず、おつりがでたほどです」とRobは言います。 「私はいつでも好きなときに、好きなことを思う存分楽しむことができます。カンボジアの中流階級の給料は月に約1,200ドルです。年金、給料、または投資でそれだけの収入が得られれば、そのような生活を送ることができます。」

Robは、ここでの生活がいつも順風満帆ではなかったと伝えています。彼が最初に到着したときは、西洋のような快適な環境が整った場所ではありませんでした。かつて静かだったカンボジアの海岸は、Kampong Saom(「心地よい港」)と呼ばれていましたが、2009年にPreah Sihanoukの州になって以来、この地域は著しく発展しました。州として正式に宣言された後、土地の所有権はすぐに発行され、開発は目を見張るようなペースで進められました。

「私がフリーランスの作家としてオンラインで働き始めたとき、インターネットカフェで作業せざるをえませんでした。今は自宅に世界クラスのWiFi接続と光ファイバーケーブル接続があるので、その必要はもうありません。家に帰って子供と話をしたいときは、携帯電話を持ってダイヤルします。」

「発展による代償はつきもので、大抵庶民にも影響がありますが、シアヌークビルではその代償はとるに足りません。実際には、新興集合住宅が街で建設されるようになって、家賃は上がるどころか、下がる一方です。」

「月額100ドル以下で快適なワンルームマンションを見つけるのは簡単です。しばらく滞在してコツを知るようになれば、私のようなれんが造りの家を250ドルで借りることもできます。土地の所有はカンボジア人だけに認められていますが、外国人も長期間の賃貸をすることで法の抜け穴をつくことができます」と、Robは言います。