海外で仕事をしながら生活することは、時として難しいことがあります。赴任生活を最大限に楽しむコツをご紹介します。
私は、長い間海外でキャリアを積んできました。駐在員として生活する中で、全く異なる国の文化を経験し、大きな役割を任せられ、責任ある仕事をこなす機会を与えられるというご褒美のような時間がありました。
駐在員の生活には問題はつきものです。その中で最も頭を悩ませるのは、パートナーに関することです。取り巻く環境の変化とそれに順応する力がパートナーにあるのかどうかということです。確かに、海外に移住しても新しい仕事に就き、役割を見つけられた夫婦もいますが、それは例外だと言えます。
ほとんどの場合、夫婦のどちらかの海外転勤を機に海外に移住するパターンが多いです。パートナーに付き添う方は、就職先が決まっていない状態での移住を余儀なくされています。「くっつき虫のような配偶者」と呼ばれ、まるで仕方なくパートナーについてきたような、多少ネガティブな意味合いが含まれています。
私は海外生活の中で、多くの駐在員と出会い、彼らが多岐に渡る問題に直面しているのを目の当たりにしてきました。私自身も、配偶者を持つ駐在員として同じような経験をしてきました。駐在員夫婦が一般的に直面する4つの問題点とその対処法をご紹介します。
- 大事にしてきた仕事(主な収入源)を手放すこと
私の知っている駐在員の配偶者の中には、膨大な時間やお金、情熱を注いできた仕事を諦めざるをえない人もいました。どうにか海外でも仕事を継続し、キャリアの再構築に成功した人もいましたが、多くの人はそうではありませんでした。挑戦するも途中で挫折し、最終的に諦めてしまった人がほとんどです。
移住前に就職先が決まっていないが、仕事を継続したいと思っている人は、人脈形成力を強化する必要があります。新しい国の仕事上の人脈と個人的なネットワークが、仕事に繋がる最も重要な情報源になります。自分の関心のある企業に誰が紹介してくれるとも限らないので、人との縁をないがしろにしてはいけません。
- 全く異なる文化と言語に適応すること
慣れ親しんだ文化や言語とは異なる国での生活を、突然強いられる駐在員の配偶者に強く共感します。赴任先の国の歴史と文化の知識を、本を通じて得る努力をすることが、長い目でみると、その国への理解を深めることに繋がります。その国の言語を体得することは難しいかもしれませんが、日常会話が出来るくらいの基本的な要素を少なくとも学ぶ努力をしましょう。
私は、真面目に言語を学ぼうと努力しない駐在員を幾度となくみてきました。言語は、文化を理解する上で重要です。現地の言葉で会話をする努力をしなければ、人々とうまく付き合っていく能力が著しく制限されてしまいます。
- 家族のサポートがある国から遠く離れること
たった数年前までは、インスタントメッセージやビデオアプリを何回か押しただけで、何千マイルも離れている家族に連絡をとれるような手段すらありませんでした。あったとしても接続がうまくいっていませんでした。
しかし、そのような革新的なテクノジーをもってしても、決して愛する人からのキスやハグの温もりや、生まれ育ち慣れ親しんだ家の香りや音にとってかわることはできないのです。定期的に故郷を訪れたり、家族を呼んだりすることが、故郷との結びつきを維持することになります。通常旅費が高くつくので、早い時期に予約し、航空会社のマイレージポイントを有効活用し、可能な限りハイシーズンを避けるように日程を調整しましょう。
- 子供たちにふさわしい教育の選択肢を見つけること
駐在員夫婦の最大の悩みの種は、子供たちにふさわしい学校を見つけ出すことです。駐在員が生活する地域の学校は、学費が高く、定員に限りがあります。赴任先の国の文化と言語にどっぷりつかることが出来、実質的に出費を抑えることができると、あえて現地校に子供を通わせている駐在員の夫婦を知っています。
在宅教育に決めた人もわずかながらいます。インターネットを通して、どの教科にもチューターをつけることができるようになったため、実質選択が可能になっています。例えば、私や子供たちは、スカイプを通して世界中のチューターから、様々な科目の個別レッスンを受けたことがあります。