東南アジアの駐在員が必ず知っておくべきこと

私は常に東南アジアと新興市場に関心を寄せてきました。東南アジア諸国が暮らしやすく、ビジネスを営むのに適した場所といわれるのは、素晴らしい人々、興味深い食べ物、成長企業、そして様々な文化が揃っているからです。しかし、この地域で海外駐在員として生活していて、問題がないということではありません!個人的な経験に基づく教訓と、インドネシアとマレーシアの両方でマイケル・ペイジを立ち上げたときに一緒に働いたチームのメンバーから学んだ教訓がいくつかあります。主に採用の観点からのアドバイスになりますが、どんなビジネスや業界にも当てはまる一般的なテーマもあります。

私はヨークシャー出身なので、(アクセントで気づかれることはないかもしれませんが、心の中には根付いています!)、オープンで誠実で、表裏がないことに誇りをもっています。時折率直な物言いで誤解されてしまいますが、正直でいることに感謝されることがあります。赴任中の一番の学びは、この地域ではあえて物事をはっきりさせないということを理解することでした。純粋に相手を怒らせたくないと気遣うあまり、ノーということが出来ないのです。手ごたえがあったと思っても、次に繋がらない会議があることを心しておいてください。追加の質問をして、状況を正しく判断するのはあなた次第なのです。

憶測せずに、常に自由回答式の質問で明らかにしましょう。提案のどの部分に不明な点がありますか?私たちの議論に対する利害関係者の反応はどうなると思いますか?この意思決定プロセスに、他に誰が関与していますか?提案に異論がないことは承知していますが、懸念事項は何かありますか?

欧米の世界では、パーソナリティの強みを活かして業績を伸ばしているリーダー(例えば、Jack WelchやSteve Jobsなど)が、迅速で果断な決断を下す能力を評価され尊敬されています。しかし、家族のような集団行動を重視する地域では、異なった見方がされています。目上の人を立て、対面を保ち、皆の意見をすり合わせることが意思決定に時間がかかる原因です。

したがって、多くの利害関係者が関与することが多々あるので、物事が即時に決まると思わないでください。採用活動には、家族や友人、新旧のメンターなど、キャリア変更に多くの人が関わっているので、決定に時間がかかるのです。繰り返しになりますが、主な利害関係者が誰であるかということを確認してください。

この地で楽観的にならない人はいないのではないでしょうか。雨の日よりも晴れの日が続く気候で(私がこれを書いている時点では、おそらくジャカルタではそうではないでしょう)、この地域は素晴らしく非日常的で、ビーチ、豊かな歴史と伝統、多様性、力強い経済成長を見せています。資源に恵まれ、人々は幸せそうに生活しています。確かにインフレ率は高く、高金利で資産を増やしていくのが難しいです。しかし、雇用率の高さは多くの人が仕事を得て、収入を得て、安定した生活を送れていることを意味しています。

その一方で、この楽観的な考えが高じて、人々は他人を羨むようになったのです。もっと良い仕事があるはず、転職すれば給料が上がるはず(「25%の昇給に満足せずに、35%を要求しませんか」)、他の場所で自分の能力を買ってくれる上司がいるはずと思うようになったのです。

残念なことに、常に隣の芝生が青いというわけではありません。官僚的な意思決定プロセスと型にはまった報告体系が気に入らない場合は、残念ながら、FMCGへの移行によって劇的な変化がもたらされることはありません。多国籍企業は、通貨の変動、最低賃金の引き上げ、世界経済の不透明感からの継続的なコスト圧力を感じています。企業側は20%以上の昇給を認めたくないのです。地域経済は、依然として成長していますが、前年度の成長率ほどではないため、コストへの配慮が企業の最優先課題となっていることは明らかです。

したがって、昇給を求める人々には、スキルや学習機会など、全体像を見てもらうことを勧めることが重要です。野心的でいてほしいですが、現実も考慮にいれてもらいたいです。

ここであなたに共有できるものは無数にあります。幸いなことに、私がこれまで経験してきたことは、どれもポジティブなものでした。東南アジアの人々は、とても楽しそうで、明確な目標をもちながら一生懸命働き、人とのつながりを大事にしています。南アジアで生活する中で最も重要なことは、礼儀正しさと誠実さのバランスをいかに上手くとることができるかということです。礼儀正しさを身につけて、成功できないはずはありません。

まずは、参加してください。駐在員の同僚だけで固まって昼食を食べないようにしましょう。たまには他の人々と交流する機会を持ってみましょう。1時間の昼食を楽しみながら、関係構築に取り組みましょう。ビジネス上の利益よりもより有益なものを得ることが出来ます。駐在している国の理解を深めることはもちろん、何より楽しい時間を過ごすことが出来るでしょう!

よく耳を傾けてください。あなたは決断を下す必要がある立場にいるかもしれません。チームメンバーや同僚に話を聞いて、(時間は別として)無駄なことは何もありません。別の道を選んだ理由を説明すれば、その対価としての自分へのメリットは計り知れません。新たな学びにつながるかもしれませんよ。

決めつけないでください。大幅な賃上げを求めるなんてばかげていると思うかもしれません。しかし、彼らの事情を理解できないなら(論理的な会話があったり、なかったりを認めますが…)いくつかの要求をのまないなんてことは到底できないでしょう。これはお金だけでなく、すべてのことに当てはまります。

決して比較しないでください。これがおそらく最も重要です。私たちは、アイデンティティや遺産、文化を非常に重んじている国で働いています。この地域のどこに住んでいたのか、個人的な好みが何であるのかにかかわらず、異なる二つの国を比較することはできません。それは失礼なことにあたります。大人なので、過ぎ去った過去を思い返すのではなく、目の前にあるものを最大限に活かすべきです。

何よりも重要なこと – 旅を楽しんでください!果敢に挑戦し、文化にどっぷり浸かって、学びたいと思う気持ちを持ち続けてさえいれば、人間的な成長を感じるでしょう。まずは、楽しんでみて下さい!