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東南アジアの生活:駐在員が語る

Eric Rosenkranz氏は、1982年に米国を離れてから、4大陸7か国の地域で暮らしてきました。過去20年間多国籍の大企業に勤め、数年ごとに新地への転勤を繰り返していました。2004年に戦略的コンサルタント事業を自ら立ち上げ、その後アジア企業を2つ買収し、カンボジアの地ビール醸造所から多国間デジタル広告ネットワークまで、あらゆる事業に取り組んできました。彼は現在、シンガポールとタイのプーケットを行き来する生活を送っています。
質問1 あなたが住んでいる国で、大抵の観光客が知らないことは何ですか?
答 東南アジアは、非常に多様性に溢れています。世界最大のイスラム教国インドネシア、アジア最大のキリスト教国フィリピン、世界最大の仏教国タイ、そしてイスラム教徒、キリスト教徒、仏教徒、ヒンズー教徒、シク教徒、儒教徒が仲良く暮らし、みんなが故郷と呼ぶ国シンガポールがあります。
質問2 新天地に移住する中で、どのようなカルチャーショック受けましたか?
答 世界中の人々が異質ではなく、みんな同質だと気づいて驚きました。人種や国籍、宗教にかかわらず、世界中の誰もが、愛し愛されながら家族と平穏無事に暮らしたいと願っています。
質問3 他の国に旅行した際に、海外滞在経験が役に立ったことはありますか?もしあれば、どのような場面で役にたったのか教えて下さい。
答 世界中どこに行っても人は大して変わらないと気付くと、旅行者が陥りやすい罠にはまることなく、よりディープな旅を楽しむことが出来るでしょう。世界的に有名な観光スポットは確かに魅力的ですが、言葉が通じない家族と一緒に食事をするのも、同様に貴重で面白い経験だと思います。旅をすればするほど、世界の信じられないほどの多様性に寛容になれるでしょう。
質問4 東南アジアで最も過剰評価されている観光地はどこですか?旅行者は代わりにどこを訪れたらいいですか?
答 インドネシアの巨大な仏教寺院ボロブドゥール遺跡とヒンズー教と仏教の要素を兼ね合わせたカンボジアのアンコールワットは、東南アジアの2大「必見」スポットです。どちらもユネスコの世界遺産に登録されており、宣伝通り期待以上の場所です。タイのクウェー川をボートで下ってみましょう。ボートから飛び降りて、流れに乗って下ってみるのもいいかもしれません。ただ、カーンチャナブリーの「戦場にかかる橋」と呼ばれるクウェー川鉄橋には行かないようにしましょう。Alec Guinessの典型的な映画(スリランカで撮影されました!)の中で吹き飛ばされた橋には似ても似つかない、みすぼらしく現代的な橋なのです。
訪れる価値のある場所は他にもあります。ハノイの「南北戦争」博物館で、1960年代のベトナム紛争に対する新たな視点や価値観に触れてみましょう。フィリピンの文化にもどっぷり浸かり、マレーシアのクアラルンプール郊外にある、ゲンティンハイランドの別荘の暖炉横で、ゆっくりと過ごしてみてください。
質問 5 東南アジアで欠かせない食べ物は?
答 東南アジアの美食といえば屋台飯です。毎晩7時になると、シンガポールのブーンタット通りは車の交通が規制され、サテーの屋台が建てられます。ピーナッツソースに絡めた鶏肉とエビ、子羊の串焼きの盛り合わせをキンキンに冷えたビールと一緒に堪能しましょう。ホーチミン市(通称:サイゴン)では、現地の人に道路わきのシーフードレストランに案内してもらい、プラスチック製のイスに座りながら、手づかみで新鮮なハマグリやムール貝、エビやカニを頬張ってみましょう。マニラでは揚げたバッタを、タイの北東部イーサーンではピリ辛いパパイヤサラダを食べて下さい。
質問6 駐在していて大変だったこと、やりがいを感じたことは何ですか?
答 赴任先の言語を理解できず、その文化から隔絶された時が一番つらかったです。逆に、生まれも育ちも違う人々と意思疎通が取れて、希望や苦悩、夢を共有できた時が、報われたと感じた瞬間でした。共通の言語がなかったとしても、ジェスチャーや笑顔だけで仲良くなれるなんて、なんて素敵なことでしょう。